”あたらしい人間関係”へようこそ

 

社会で仕事というものをしていると、自分の意思とは無関係に組織が変容することがある。今回もそうだ。ともに仕事をするメンバーも相手にする人たちも仕事内容も変わらない。ただ、この現場のトップに立つ人だけが変わる。

「継母」の難しさとはこのようなところにあるのだろう、と思う。既に成立した人間関係の上に、ひとり突然外部から参入し、家族の一員として積極的に関わる必要がある。他の人たちは、お互いにどう接してきて、どう接するのが心地よいかを知っているが、「継母」だけはそうではない。だからといって、「この人はこういう対応を好んでいないですよ」という伝えるのが良いというわけでもない。”あたらしい人間関係”においては、過去の経験が通用しないケースもある。

あまり的を射ない曖昧な例はさておき、うちの現場も”あたらしい人間関係”の中でふわふわした雰囲気が続いている。圧倒的にやりづらい。全員がなんとなく探り合い、これまでとの違いに小さなストレスを抱えている。感情労働的な側面が否めない職種だけに、接する相手の反応も気になる。

トップ交代と同タイミングで、かなり仕組みを変えてきた。このタイミングでしか制度を変えられないと思う。自分がトップに立っても同じ動きをすると思う。既存の城を壊して、一から築城するのだ。すみよい城を作るのである。しかし、両方の城を建設しているメンバーが同一なのだ。工事現場の殺伐とした空気を、現場監督は分かっているだろうか。